買った本を処分する際に古本屋を利用する人は多いと思います。
私も引っ越しする時に大量の本を古本屋にもっていきました。
学生の頃はお金がなかったこともあり、古本屋をめぐってマンガを買いまくっていました。
古本屋は商店街などにある近代文学の全集など難しい本を扱っている店舗もあれば、「BOOK・OFF」や「らしんばん」などマンガに特化した明るい内装の店舗も増えてきています。
そんな古本屋を舞台にした『ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~』を読んだので解説と感想を書いていきます。
作品概要
こちらの作品はメディアワークス文庫から刊行されています。全7巻+番外編1巻。ジャンルは日常ミステリー。
漫画化、ドラマ化、映画化もされ、知っている方も多いのではないでしょうか。
舞台は神奈川県鎌倉市北鎌倉。
そこでひっそりと営業している古本屋「ビブリア古書堂」でひょんなことから働くことになった五浦大輔の視点で物語は進行していきます。
古書堂の店主・篠川栞子は人と話す時は緊張して上手く喋れませんが、本の話となると人が変わったかのように目をキラキラさせ熱く語り始めるほどの本の虫。
栞子は本の知識量もすごく、作者やストーリーはもちろん、いつ刊行されどのくらいの価値がある本なのかも全て頭に入っています。
そんな二人のもとに様々ないわくつきの古書が持ち込まれます。
栞子はその古書にまつわる謎を、まるでその場で見てきたかのように見事に解き明かしていきます。
実在する本が登場している
作品に登場する古書、いわゆる古本は実際に存在している本です。
今回読んだ1巻では下記の古書が主に登場します。
・夏目漱石『それから』〈漱石全集・新書版 第八巻〉(岩波書店)
・小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』(新潮文庫)
・ヴィノグラードフ、クジミン共著『論理学入門』(青木文庫)
・太宰治『晩年』(砂子屋書房)
ー引用ー
「”ビブリア古書堂の事件手帖“」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より。
どれも古い本で絶版になっているものばかりですが、新版が文庫などで出ているのでほとんどが今でも手に入ります。
まとめ/読んだ感想
メディアワークス文庫らしく、ライトな内容で読みやすい文体なため、読書が苦手という方も読みやすいと思います。
実在の本が多く登場し物語に絡んできますが、栞子さんの説明が丁寧であるため、それらを未読でも十分楽しめました。
連作短編でストーリーが進みますが、実は地続きでつながっており、五浦と栞子さんの微妙な距離感が少しずつ縮まっていくのが、読んでいてちょっとドキドキしました(笑)
そして、この本を読むと登場した本を読みたくなりました。
漱石の『それから』や太宰の『晩年』はどちらも教科書などでおなじみらしいのですが、私は読んだことがありません。
というのも私は近代文学が苦手なため避けていたのです。
ですが、引用された本を読んでから読むと、物語に深みがより増し、印象が変わりそうな気がしました。
これから二人が古書を通じてどんな風に変わっていくのか知りたいので、続きも読んでみようと思います。
読んだらまた感想を書いてみます(・・・できるだけ早く読みたいなあw)
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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