学年誌・『小学一年生』~『小学六年生』の思い出

コラム

小学生がよく読む雑誌といえば『コロコロコミック』や『ちゃお』などが有名ですが、
私は小学館から出ていた学年誌『小学一年生』~『小学六年生』を読んでいました。

祖母に定期購読をしてもらい、近所の書店のおばちゃんが配達してくれるのが毎月楽しみでした。

今回は私が小学生時代に共に歩んだ学年誌の思い出をつらつらと語っていきたいと思います。

今回の記事内容は、1993年生まれの私が実際に読んでいた、2000年~2005年ごろの話になります。

学年誌とは

学年誌とは小学館から発刊されていた、月刊の学年別学習雑誌のことです。

過去にも「学年誌」と呼ばれる雑誌はこの他にもたくさんありましたが、一般的に学年誌というとこの小学館から出ていた雑誌を指している場合が多いです。

『小学一年生』から『小学六年生』まであり、自分の学年があがるごとに読む雑誌が一つ上の学年に繰り上がっていくという少し特殊な形態をとっていました。

たとえば自分が小学一年生だったら『小学一年生』の4月号~翌年の3月号まで買っていき、翌年の4月号からは『小学二年生』を買っていくという流れです。

小学生全体をターゲットにしているため、男の子向け、女の子向け両方の特集が組まれており、掲載マンガも少年マンガ・少女マンガの両方が載っていました。

私は特に内容を気にせず、すべてのマンガ、特集を読んでいましたので、中学・高校になって少女マンガを抵抗無く読むことができたのは、おそらくこれが影響しているのかと思います。
(ちなみに私の弟が一つ下の学年だったので、弟の分の雑誌も読んでいました。)

しかし、少子化やインターネットの普及により雑誌の販売部数が落ち込み、『小学五年生』『小学六年生』は2009年度に、『小学三年生』『小学四年生』は2011年度に、『小学二年生』は2016年度にそれぞれ廃刊してしまいました。

そのため現在は『小学一年生』と全学年対応の『小学8年生』のみになってしまいました。
(小学館の『幼稚園』『入学準備小学一年生』など他の幼児向け雑誌は今でもあります)

学年ごとに違う内容

雑誌の内容は対象の学年ごとに違っており、その年代の子ども達に合わせた工夫があったのだと思います。

低学年向け(『小学一年生』『小学二年生』)

豪華な付録がついているのが特徴。

特に小学一年生はドラえもんの目覚まし時計や自由研究の実験グッズなど本格的な付録が付いていましたが、読み物が少なく、雑誌自体も薄いです。

国語・算数のドリルが付録や巻末についてきたり、ポケモン、カービィ、マリオなど任天堂のゲームを多く特集し、かわいい絵柄のコミックが多い印象です。

中学年向け(『小学三年生』『小学四年生』)

当時人気のお笑い芸人・アイドル・俳優のインタビュー記事や、ギャグマンガが多い印象でした。

ゲームの特集のボリュームが増え、特にポケモンは攻略本が付録だったりしました。

しかし、それ以外の付録はだんだん付いてこなくなり、マンガや特集記事が増えてきます。

高学年向け(『小学五年生』『小学六年生』)

『小学五年生』はマンガの量が多く、内容も『少年サンデー』や『ちゃお』などに連載されているようなやや少年・少女向けになってきます。

『小学六年生』はマンガの量が減り、より特集が増えてきます。

私の代は村上龍の『13歳のハローワーク』が話題になっており、「12歳のハローワーク」として様々な職業の紹介記事が特集されていました。

全学年共通:ハガキ投稿ページ

また、全学年共通して巻末に読者ハガキ投稿ページがありました。

読者から送られてきたイラスト紹介やお題に沿った大喜利を投稿・掲載したりなど、読者と作者・編集者をつなぐコーナーだったので読んでいてとてもおもしろかったです。

私(1993年度生まれ)が読んでいた連載マンガ

上述の通り、学年誌はたくさんのマンガが連載されていました。
その中で私が読んでいたマンガをほんの一部ご紹介します。

『ポケットモンスターSPECIAL』

シナリオ:日下秀憲
作画:真斗(1-9巻)、山本サトシ(10巻-現在)
連載期間:1997年~連載中
単行本:既刊57巻(2020年12月現在)+α
連載誌:『小学三年生』『小学四年生』『小学五年生』『小学六年生』他

通称ポケスペ。私が初めて自分のお小遣いで買ったマンガです。

連載された雑誌が廃刊になった現在でも「サンデーうぇぶり」「コロコロイチバン!」で連載が続いている長寿作品で累計発行部数は1200万部を突破。

ポケモンというとアニメ版や、コロコロコミックで連載されていた「ポケットモンスター」などが有名ですが、こちらはゲーム版の設定を独自にアレンジし、シナリオもドラマ性が重視されています。

最大の特徴は、新作ゲームが発売されると新章が始まり、主人公や舞台が変わるところです。
(『ジョジョの奇妙な冒険』に近いですね)

章は変わっても同じ世界の話なので、前の章の主人公たちが先輩として再登場したり、過去の章の伏線を回収していくなど緻密に練られたストーリーが魅力です。

ちょっとグロい表現や激しいバトル展開が多いため、「ホントに子ども向けなのか?」と思うシーンもしばしば(笑)

個性的なキャラクター、独特な世界観、そして可愛くてかっこいいポケモンたちに心を奪われます。

『がんばれ!ドッジファイターズ』

※注意!現在絶版となっています。

シナリオ:村上としや
作画:斉藤むねお
協力:日本ドッジボール協会
連載期間:2003年~2006年
単行本:全10巻
連載誌:『小学三年生』『小学四年生』『小学五年生』『小学六年生』

ドッジボールが大好きな少年・球田堂児が仲間たちと共にドッジボールの全国大会優勝を目指す熱血ドッジボールマンガです。

ドッジボールといえば小学校の授業や休み時間に遊びでする印象が強いですが、このマンガはスポーツ競技としてのドッジボールを題材にしたスポコンマンガです。
(「日本ドッジボール協会」が制作協力しています)

このマンガでドッジボールに公式大会があることを知れたり、公式ルール、フォーメーション、連携プレイなど読むだけでドッジボールの勉強にもなります。

少年マンガらしく、迫力のある必殺技などが飛び出していたため、当時学校の昼休みなどのドッジボールでまねをしてました(笑)

『ないしょのつぼみ』

※現在は一部の巻はKindleのみの販売

作者:やぶうち優
連載期間:2004年~2012年
単行本:全9巻
連載誌:『小学三年生』『小学四年生』『小学五年生』

少女向けの性教育マンガです。

全9巻でそれぞれ巻は独立したストーリーで、巻ごとに主人公が違います。どのお話も思春期の少女たちが”こころ”と”からだ”の変化に戸惑いながらも、恋愛を通し友人たちと共に成長していきます。(ちなみに全ての主人公の名前は”つぼみ”で統一されています)

”性教育”という一見デリケートで避けがちなテーマですが、誰にも訪れる「”こころ”と”からだ”の変化」にファンタジー要素を入れながらも正面から向き合った名作です。

私の年代は単行本第1巻にあたる第1期のストーリーで、初めて読んだ当時は直接的な内容に衝撃を受け、ちょっとドキドキしてましたが・・・(笑)

雑誌掲載時には毎回本編と連動した性教育にまつわるコラム記事があり、思春期の心と体の変化の解説や、読者からのQ&Aコーナーなどもありました。

また、2008年にOVAでアニメ化しており、2009年には第54回(平成20年度)小学館漫画賞児童向け部門を受賞しています。

当時はインターネットが使えず、大人たちは詳しく教えてくれないので、正しい”性の知識”は保健の授業くらいでしか知ることができませんでした。
そのため、こういった雑誌やマンガで情報を得ることができたのは今思えば本当に良かったと思います。

『あさりちゃん』

作者:室山まゆみ
連載期間:1978年~2014年
単行本:全100巻
当時の連載誌:『小学二年生』『小学三年生』『小学四年生』他

小学4年生の浜野あさりとその家族・友人たちとのドタバタギャグマンガ。
36年間連載され、単行本は全100巻で少女マンガでは最長の巻数です。総発行部数は2650万部。

連載当初は『小学二年生』でスタートしたらしいですが、私の年代は『小学三年生』『小学四年生』でも連載がありました。

第31回(昭和60年度)小学館漫画賞受賞。1982年にはテレビアニメ化されました。

ギャグだけではなく、怪談やSFなど様々なジャンルをテーマにしており、少女マンガ版の『こち亀』のような内容です。

あさりちゃんたちは年はとりませんが、ストーリーは時事ネタなどをよく取り上げています。
消費税が5%に上がった当時に「このままだと将来10%になる!」という内容の話が、2019年に実現したため「予言されていた!」とネットで話題になりました。
漫画あさりちゃん公式サイト「あさりちゃん まんが「ああ消費税」」

連載終了後も新作が作られたり、公式サイト、公式Twitterが開設されるなど、今でも新しい展開が続いてますので、これからも目が離せません。

他にもまだまだある

連載されていたマンガは他にもたくさんありました。

人気ゲームのコミカライズのバトルストーリーロックマンエグゼ
モモンガを拾った少年が自然に囲まれながら成長していく『モンガの大地!』
本格的将棋マンガ『マサルの一手!』
バトントワリングの大会で優勝を目指す少女たちの物語きらめき・トワラーズ!
お菓子が好きな女の子がパティシエに変身するスイ~ト・いちごショコラ

などなど数えればキリがないほどおもしろいマンガがたくさん連載されていました。
休刊・廃刊の雑誌が増えることにより、子どもたちの読むマンガの数が減ってきてしまっているのが残念です。

まとめ/私は学年誌で育てられた

以上、私の学年誌の思い出話でした。

記事を書くにあたり、連載されていたマンガを思い出しながら調べていくうちに、当時の思い出がよみがえってきて懐かしく感じました。

今回このような記事を書いた理由は、周りに読んでいる友人がおらず、共有できる人がいなかったため、記事を書いて他に読んでいた人を探してみたいという思いがあったからです。

もしこの記事を読んで「自分も読んでいた!」という人がいれば、メッセージなどを送っていただけるとうれしいです。

残念ながら当時連載されていたマンガのほとんどが絶版になっているため、今から手に入れることが難しいですが、興味を持ったりまた読んでみたいと思った方は電子書籍や中古本などを手にとってぜひ読んでみてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

コメント

  1. より:

    懐かしい!全くの同世代です!
    ちょっとだけマーメイドも好きでしたね
    付録にタロットカードとか付いてきたような…

    • りゅう ぼっけもん より:

      るさん、コメントありがとうございます!
      ちょっとだけマーメイド!!懐かしいです!!タロットカードというのをあの漫画で知りました!