荻原浩『家族写真』を読んだ感想

本レビュー

せっかく書店に勤めていながら、あまり本は読めていませんでした。

忙しいということもありましたが、元々読むのが遅いのと、
手軽なアニメや漫画に手を出しがちになってしまい、本は後回しになっていました。

それでも気になる本は買い続けていたので、本棚には本がたまる一方。

本は値段を見ずに買うという昔からの悪い癖があり、それを避けようと古本屋で気になる本をまとめ買いをし、さらに本がたまりました。

本を読むよりも、気になった本をいつでも手にとれる場所に置いておきたい!という願望があったのかもしれません。

しかし、それではさすがにもったいないので、最近は少しずつですが時間を見つけては本を読んでいます。

今回はその中の一冊をご紹介したいと思います。

※書評というより読書メモのようなものです。

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『家族写真』/荻原浩(おぎわら ひろし)

2016年に『海の見える理髪店』で第155回直木賞を受賞した荻原浩さんの短編集です。

内容は全7編ですべて「家族」がテーマになっています。

妻を失った夫が娘を嫁に出す「結婚しようよ」
あのアニメキャラが同世代と知ってショックを受ける父親の話「磯野波平を探して」
肥満解消のために家族全員でダイエットに励む「肉村さん一家176kg」

など、どこにでもいそうな家族のお話がつまっています。

表題作である『家族写真』は街の小さな写真館でのお話です。

店主が突然病気で倒れ、三人の姉弟が久々に集まります。
無職の彼氏と同棲している夏乃、仕事がほぼ来ないカメラマンの助手として働く春太、高校に進学せず、写真館で父親の助手として働いていた葉月。
物語はこの三人の姉弟の視点でそれぞれ展開していきます。

頑固で自分のこだわりを突き通す頭の固い父親の姿に、三人それぞれ反発するも、自分のこれからの将来に迷っていましたが、父の代わりに写真館の仕事をしていくなかで少しずつ前を向くようになっていきます。

 

実は私の地元にも物語に出てきたような写真館があり、つい最近そこで家族写真を撮りました。

数年前、妹の成人式の際に家族全員が集まって家族写真を撮ったのです。

その写真館は私が小さいころからあり、昔はよく父と一緒にそこへ行っていました。

数年ぶりに顔をだしたら、店主さんは変わらず元気で、昔と同じような笑顔で写真を撮ってくださいました。

自分には帰ってくる場所があり、迎えてくれる家族や地域の人たちがいる。

当たり前のことで忘れがちになってしまいますが、それってすごく幸せで、恵まれていることなんじゃないかなと、その時感じた温かい気持ちが、この本を読んで思い出しました。

なんだか全然まとまっていませんが、これからもこんな感じで本を読んだら感想を書いていきます。

めざせ1000冊!笑

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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